増刊号 超音波×病理 対比アトラス
6章 肝胆膵脾
10 胆囊の早期癌―70歳代男性
渡辺 光人
1
,
手島 伸一
1,2
1同愛記念病院研究検査科
2湘南鎌倉総合病院病理診断部
pp.1111-1113
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104465
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症例の概要
70歳代,男性.10年前から胆囊のポリープを指摘され経過観察していた.無症状であったが,最近増大してきたため腹腔鏡下胆囊摘出術を行った.超音波では胆囊底部の内腔に,20mmの内部エコー不均一で辺縁不整な腫瘤像を認める.腫瘤は体位変換で可動性がみられず,音響陰影も伴っていない.胆石は認めないが,体部の屈曲部に壁の肥厚がみられた.
病理学的には13×55mmの胆囊で,底部に30×20mm,高さ15mmの隆起性,ポリープ状(Ⅰ型)の癌をみる.顕微鏡的には,高分化な乳頭状腺癌である.癌は粘膜内に限局し,筋層浸潤は認めない早期癌(有茎Ⅰ型)であった.体部の狭窄部には多数のRokitansky-Ashoff洞と,周囲に平滑筋の増生からなる腺筋症がみられた.
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