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骨髄増殖性疾患とJAK2遺伝子変異
佐藤 優実子
1
,
横田 浩充
1
,
矢冨 裕
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2東京大学大学院医学系研究科病態検査医学
pp.770-772
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102160
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はじめに
慢性骨髄増殖性疾患(chronic myeloproliferative disease,CMPD)として分類される真性多血症(polycythemia vera,PV),本態性血小板血症(essential thrombocythemia,ET),原発性骨髄線維症(idiopathic myelofibrosis,IMF)の病因はこれまで不明とされていたが,2005年,CMPDにおいて細胞内チロシンキナーゼであるJanus kinase 2(JAK2)遺伝子の変異が高頻度に認められることが相次いで報告された(表)1~5).JAK2遺伝子の変異は,617番目のアミノ酸バリン(valine,V)が,点突然変異によりフェニルアラニン(phenylalanine,F)に置換されることからV617F変異と呼ばれ,これがCMPDの発症機序として注目を集めている.
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