Laboratory Practice 〈免疫・生化学〉
イムノクロマトグラフィ法による抗原検出法
舩渡 忠男
1
,
竹田 真由
2
1東北福祉大学健康科学部医療経営管理学科
2天理医療大学医療学部臨床検査学科
pp.71-75
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104153
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はじめに
イムノクロマトグラフィ法(以下,イムノクロマト法)は,セルロース膜などの膜(メンブレン)上を被検体(サンプル)が試薬を溶解しながらゆっくりと流れる毛細管現象を応用した免疫測定法である.イムノクロマト法を用いた検査は,測定したい特定の抗原のみと結合する抗体を試薬として,血液や尿などに含まれる抗原を検出して診断する.妊娠診断をはじめ,感染症診断などにおいて多くの項目に応用され,特別な測定装置を用いなくても,数分程度の短時間で,誰でもいつでも,目視で簡便に診断できる.最近では,イムノクロマト法は診察室や病棟でのPOCT(point-of-care-testing)として,緊急検査あるいは自己検査などに利用され,適切な診療に有用な簡易検査として注目されている.
本稿では,イムノクロマト法による抗原検出法の長所と短所,使用する際の注意点について解説する.
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