トピックス
血流下血栓形成能診断システム(T-TAS®)の有用性
森木 隆典
1
,
松原 由美子
2
1慶應義塾大学保健管理センター
2慶應義塾大学医学部発生・分化生物学教室
pp.802-804
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104038
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はじめに
血管内における血栓形成には,血液成分・血流・血管壁の状態が複合的に関与している.血栓形成能の低下は出血傾向を呈する臨床症状に関連し,血栓形成能の亢進は動脈および静脈の血栓性疾患の発症に結びつく.血栓形成能に関するルーチン検査として挙げられるのは,血液成分の全血球計算(complete blood count,CBC)やプロトロンビン時間(prothrombin time,PT)・活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,APTT)であり,2次検査としては,凝固・線溶系における各因子の測定や血小板凝集能検査などが考慮される.
しかしながら,血栓形成は,これらの複合的な関与の結果によるものであることから,単一の検査で評価することは困難な点が多いと考えられている.とりわけ,血栓形成能の亢進を評価する方法として臨床的に意義があるとされる検査法に関しては議論が多い.
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