Laboratory Practice 〈病理〉
オートプシー・イメージング―その「可能性」と「限界」を正しく理解するために
稲井 邦博
1,2
,
法木 左近
1,3
,
西島 昭彦
1
,
内木 宏延
1,2
1福井大学医学部Aiセンター
2福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学領域
3福井大学医学部病因病態医学講座腫瘍病理学領域
pp.414-418
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103928
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はじめに
筆者が医学生だった1980年代中頃より急速に普及したコンピュータ断層撮影(computed tomography,CT)は,今や国内で1万台以上が稼働している.当時,それまで見たこともなかった断層像に驚愕したことを懐かしく思う.当時の撮影は「息を止めてください」 「楽にしてください」という音声アナウンスに合わせて,被検者は緊張しながらガントリーの駆動音を聞いたものである.しかし,その後の技術革新は多列検出器を有するヘリカルCTを登場させ,今では息止めはほとんど必要なくなった.臨床現場へのCT登場から四半世紀を経て,遺体を画像診断するという概念が確立したのは必然かもしれない.遺体のCT撮影では,画質に影響を与える呼吸と体動を気にする必要がないからである.
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