特集 会陰保護
正しい会陰保護とその限界
竹内 繁喜
1
1東京都立築地産院
pp.32-34
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202825
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I.分娩介助と会陰保護
1.思い出すこと
私どもが産婦人科医になった昭和の始めの頃は,家庭分娩の時代で,前回の分娩時物凄い会陰裂傷を作り,縫合もなにもしなかったために,次回分娩時には陰門が肛門まで続き,大きな口をぱっくり開けておるような経産婦を見ることはまれではなかった.一般に,分娩時に陰門や会陰に傷ができるのはあたり前で,妻が一度お産をすると夫婦生活も必ず前のようではなくなるものと,誰もが考えていたようである.ところが近頃はこのような裂傷例はまったく見ない.ひとつは,助産介助術すなわち会陰保護法が上手になったためであり,ひとつは,破裂例にせよ,切開例にせよ,縫合がていねいに行なわれるようになったためである.
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