技術講座 輸血
小児の輸血―赤血球製剤の分割使用
伊井野 潤子
1
,
曽根 伸治
1
,
津野 寛和
1
,
髙橋 孝喜
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.377-381
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103915
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新しい知見
新生児・小児に対する輸血療法について,「血液製剤の使用指針」では,成人とは別に小児に特有な生理機能を考慮した指針を策定する必要性を挙げている.しかし,小児一般に対する血液製剤の投与基準については,十分なコンセンサスが得られているとは言いがたい.そのような現状のなか,未熟児の早期貧血への赤血球濃厚液の投与方法,新生児への血小板濃厚液および新鮮凍結血漿の投与方法にのみ限定して指針が定められている.
新生児や未熟児に対する輸血療法は1回の輸血量が少量であることが多く,指針には輸血副作用の軽減・血液製剤の有効利用の観点からも赤血球製剤の分割使用の有用性について記載している.しかし,実際の分割製剤の作製法や管理については言及されておらず,施設ごとに基準を定め独自の方法で行われているのが現状である1~3).
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