臨床医からの質問に答える
心エコーで血栓はどのように見えるのですか?
福西 雅俊
1
1北海道社会事業協会帯広病院臨床検査科
pp.60-63
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103822
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はじめに
血栓の形成には,Virchowが提唱した三大要因が重要であり,その要因として,①血流うっ滞,②内膜傷害,③凝固能亢進,が挙げられている.これら三大要因はVirchow's triadと呼ばれており,この概念は現在も確固たる地位を築いており,これらの要因が互いに密接に影響し合い病的血栓を形成すると考えられている.
心腔内血栓の存在は塞栓症として,脳梗塞,末梢動脈閉塞などの重篤な合併症を引き起こし,予後を悪化させるため,早期診断および治療,予防が重要となる.心エコー検査は,心腔内血栓の存在を診断することができ,非侵襲的に繰り返し施行することが可能である.そのため,治療効果の判定にも有用であり,日常臨床では必要不可欠な検査法である.
本稿では,心エコー検査による心腔内血栓の描出のされ方,評価の仕方を中心に解説する.
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