技術講座 生理
されど胆囊―1.描出法とピットフォール
上牧 隆
1
,
福田 邦明
2
,
南木 融
3
,
川上 康
3
1筑波大学附属病院検査部
2筑波大学医学医療系消化器内科
3筑波大学附属病院検査部
pp.605-611
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103579
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新しい知見
近年,超音波診断装置の技術的な進歩により,装置のデジタル化が進み,ハーモニックイメージング法が開発された.超音波は生体内組織を伝搬するうちに,非線形効果により音圧の高い部分で波形に歪みを生じ,基本波の整数倍の高調波成分が発生する.受信の際,2次高調波成分を利用してBモード画像を表示する技術がティッシュハーモニックイメージング(tissue harmonic imaging,THI)である.コントラストハーモニックイメージング(contrast harmonic imaging,CHI)は超音波造影剤を用いる手法で,送信された超音波により造影剤の微小気泡が共振するときに発生する2次高調波成分を画像化する技術である.2007年1月に第二世代の超音波造影剤ソナゾイド®が認可され,肝腫瘍の新たな診断法として臨床の場で用いられるようになった.肝腫瘍の詳細な血流動態を経時的に観察することが可能となり,肝腫瘍の存在診断や質的診断,ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation,RFA)など局所治療の効果判定に欠かせない検査法になりつつある.
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