Laboratory Practice 〈生理〉
心臓CT検査と心臓カテーテル検査における放射線皮膚被曝線量の低減
今関 雅晴
1
1千葉県循環器病センター放射線科
pp.304-309
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103504
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はじめに
近年,CT装置は,多列化・高速化の進化に伴い,冠動脈狭窄の評価のみならず,プラークの性状,心房心室の形態・機能,弁膜症,先天性心疾患など,循環器分野で広く利用されるようになった.従来の心臓カテーテル検査に比べ,この非侵襲的な検査は多大なる医療への貢献であることは間違いないが,同時に安易なCT検査の増加や,心臓のみならず広い範囲の検査を施行することが,放射線被曝増加の原因にもなっている.米国では,個人の年間放射線被曝量が,1980年初頭に比べ2006年には1.7倍に増加したとされている.その内訳では,医療被曝は3.2倍に増加し,その1/4をCT検査による被曝が占めている1).本稿では,当施設で使用している320列面検出器型CT(Area Detector CT,ADCT)を用いた心臓CT検査と心臓カテーテル検査の被曝低減策および皮膚被曝線量の比較について概説する.
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