オピニオン
技師として,教育者として
今井 宣子
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻医療技術科学分野
pp.1151
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103388
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- 文献概要
阪大病院時代に「臨床検査技師も大学人であるからには臨床・教育・研究が三原則」という姿勢を叩き込まれて育ってきたせいか,臨床検査技師は誰でも臨床検査技師であると同時に教育者でもあると思っている.その証拠に誰かに教えたことのない技師は恐らく一人もいないのではないか.私も,これまで卒前・卒後を問わず,講義や講演をしてきたし,相談や悩みも聞いてきた.教育の専門家でもないのにこのようなタイトルで書くことにいささかの抵抗があったが,私見としてご容赦願いたい.
■心に火をつける
私が思う教育とは,ウィリアム・アーサー・ワードが言うところの“inspire”である.つまり心に火をつけ,やる気を起こさせることだ.“馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが,水を飲ませることはできない”ということわざもあるように,やる気のない人にやる気を起こさせることは難しい.意欲が感じられない学生や,与えられた仕事をこなすだけの無気力サラリーマン技師を見るたびに,どのようにしてその気にさせようかといつも思う.なんとか心に火をつけてやりたい,どうにかして動機付けをさせてやりたい,といつも考えている.
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