Laboratory Practice 〈病理〉
新しい組織アレイ作製方法,スパイラルアレイの病理部門への応用
堀 隆
1
,
田中 伴典
2
,
福岡 順也
1
1富山大学附属病院外科病理学講座
2富山大学附属病院病理部
pp.1115-1118
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103378
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はじめに
組織アレイ(tissue array,TA)は,複数の組織を一つのブロックに埋め込むことで,解析に大幅な時間短縮と費用の削減を可能にしたツールである.簡便かつ安価に膨大な分子発現のデータを組織学で検討できるようになったことで,多数の疾患関連分子のなかから迅速かつ効率的にバイオマーカーを絞り込むことができるようになった.ポストゲノム時代に入って,膨大な分子発現情報の臨床的意義や生体内での機能を効率よく検討するのに,組織アレイは欠かせないツールといえる1,2).
組織アレイの最も一般的なものは,組織の包埋されたパラフィンブロック(ドナーブロックと呼ばれる)から円筒形のコアを抜いて新しいブロック(レシピエントブロックと呼ばれる)へ移植するものを指しているが,最近,全く異なったプロセスで作製する方法が発表された3).
本稿では,新しい方法で作製される組織アレイ,スパイラルアレイ(Spiral Array®,SA)(図1)を紹介するとともに,組織アレイの新たな応用例を紹介する.
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