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増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
Ⅱ 血液
ヘモグロビン〔Hb〕《血色素》
hemoglobin
辻岡 貴之
1
,
通山 薫
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.803-805
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103292
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検査の概要
ヘモグロビン(hemoglobin,Hb)は赤血球内容のおよそ1/3を占めている.酸素運搬能の本体である.したがって,ヘモグロビン濃度の高低が貧血や多血を決定づける主因であるといってよい.世界保健機関(World Health Organization,WHO)による貧血の基準は血中ヘモグロビン濃度によって定義されている.
ヘモグロビン濃度測定には,1966年国際標準法として推奨されたシアンメトヘモグロビン法が普及している.本法はシアンメトヘモグロビンの分子吸光係数から精密な分光光度計を用いて濃度を測定する.しかし,シアン法は廃液処理上問題があるため,現在,自動測定法はノンシアン法へと変換しつつあり,酸化ヘモグロビン法,ラウリル硫酸ナトリウムを用いる方法が考案されている.ヘモグロビン濃度測定には通常自動血球分析装置が用いられ,全血球計算(complete blood cell count,CBC)の1項目として表示される1).
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