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増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
Ⅰ 生化学
ナトリウム〔Na〕
sodium
猪田 猛久
1
,
松尾 収二
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.752-754
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103276
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検査の概要
生体のナトリウム(Na)量の変化は体液量の変化をもたらすので,臨床上きわめて重要である.これはNaが細胞外液の主要な陽イオンであるためである.したがって,Na代謝異常時には体液量の異常(浮腫,脱水)を伴う場合が多い.血清Na値の異常という観点からみると,血清Na値は水とのバランスによって決まる.必ずしも絶対的なNaの過不足を表しているとは限らないところに解釈の難しさがある.
測定は多くの施設ではイオン選択電極が用いられている.イオン選択電極による測定では試料を希釈して測定する希釈法と,血液ガスなどとともに全血で直接測定する方法がある.希釈法は高イオン緩衝液を使用するため測定条件が一定となり,血清だけでなく尿など幅広い試料の測定が可能である.一方,希釈をしない直接測定法は血液など試料が限定的である.
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