特集 各論
1 生体に必要な元素
1)ナトリウム(Na),カリウム(K)
関口 光夫
1
Mitsuo SEKIGUCHI
1
1日本大学板橋病院臨床検査部
キーワード:
ナトリウム
,
カリウム
,
sodium
,
potassium
,
Na
,
K
,
イオン選択電極法
,
炎光光度法
Keyword:
ナトリウム
,
カリウム
,
sodium
,
potassium
,
Na
,
K
,
イオン選択電極法
,
炎光光度法
pp.1384-1393
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900334
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測定の意義
1.ナトリウム(Na)
1)生体内の分布,存在様式,摂取・排泄1)
生体内のナトリウム(Na)量は,体重1kg当たり約40~70mmol含まれる.したがって,体重60kgの成人では総Na量は2,400~4,200mmol含有することになる.その約55%が骨を除く細胞外液に,約43%が骨に,約2%が細胞内液に分布している.しかし,骨に含まれているNaの約60%がリン酸カルシウムなどと結合した塩の形で存在するので,その約60%は難溶性で遊離しにくい.これ以外が代謝的に活性な交換性(exchangeable) Naであり,総Na量の約74%を占めている.交換性Naの97%は細胞外液中に存在している.
Naは塩化ナトリウム(NaC1)として食事から摂取される.成人の1日必要量は5~15gといわれていたが,最近,高血圧との関連で食塩の過剰摂取はよくないために,10g以下にすることが好ましいとされている.いま,1日10gの食塩摂取量をNa量で表現すると170mmolとなる.一方,その排泄の大部分は腎臓からで,一部糞便からである.1日当たり腎臓からは約160mmolが,糞便中から10mmol以下が排泄され,バランスが保たれている.
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