増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る
序
高木 康
1
1昭和大学医学部医学教育推進室
pp.869
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103667
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R-CPC(reverse clinico-pathological conference)が河合忠博士(元自治医科大学教授,元臨床病理学会会長)によりわが国に導入されたのは1970年代です.臨床検査データからさかのぼって病態を判読するこの手法は瞬く間に臨床検査医学(当時は臨床病理学)の卒前教育に取り入れられ,極めて有効な教育技法として全国に広がり,現在では多くの医学部ばかりでなく,臨床検査技師教育にも利用されています.R-CPCでは個々の検査データのもつ意味を解釈して,多くの検査データを総合的に判断して最終的な病態を推測しますが,多くは1回の検査データから病態を判読することが行われています.しかし,検査データは病態・病期により刻々と変動するため,症例での検査データの変動・推移は検査データを解釈するうえで極めて重要になります.
本特集号は,本誌『検査と技術』通常号の「疾患と検査値の推移」欄にこれまで掲載された論文が主な土台となっており,これを〈症例の提示〉〈初診時の検査データ〉〈病態の解説〉〈臨床検査データの変動〉の順で改変したものです.
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