臨床医からの質問に答える
HPVタイピング検査の臨床的意義を教えてください
佐藤 豊実
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1筑波大学大学院人間総合科学研究科婦人周産期医学分野
pp.703-706
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103259
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はじめに
Harald zur Hausen博士は子宮頸癌の主要原因が,特定のタイプのヒトパピローマウイルス(human papillomavirus,HPV)であるとするウイルス説を早くから唱え,1983年に子宮頸癌組織からHPV16型,1984年には18型を分離した.この基礎研究の成果は子宮頸癌の自然史解明の研究,そして予防ワクチンの開発への道を拓いた.この功績により,博士は2008年にノーベル生理学・医学賞を受賞している.
HPVは100種類以上のタイプが同定されているが,zur Hausen博士が唱えたように子宮頸癌の原因となるタイプは限定されており,現在では主に13のタイプ(16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68)が子宮頸癌に関連するとされる.
HPVの検出方法は大別するとハイリスクHPV検査と本稿の主題であるHPVタイピング検査に分かれる.
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