臨床検査のピットフォール
ABI値から評価する下肢動脈病変のピットフォール
若林 弥生
pp.700-701
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103256
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はじめに
末梢動脈の動脈硬化性疾患を末梢動脈疾患(peripheral arterial disease,PAD)といい,そのスクリーニング検査として,足関節上腕血圧比(ankle-brachial pressure index,ABPIもしくはABI)測定が用いられる.最近では四肢血圧自動測定装置が広く普及し,多くの施設でABI測定が実施されるようになってきた.ABIは,左右それぞれの足関節部における収縮期血圧(同側の後脛骨動脈もしくは足背動脈の高いほう)を,上腕動脈の収縮期血圧(左右の高いほう)で除し,算出される.正常範囲は0.9~1.4であり,0.9以下であればPAD,1.4以上の場合は動脈石灰化が疑われる.今回は,ABI値が正常であるにもかかわらず,下肢動脈に閉塞性病変が存在する症例を提示し,そのピットフォールについて解説する.
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