今月の主題 感染症とバイオハザード
技術解説
毒素原性大腸菌の検査法
竹田 美文
1
1大阪大学・微生物病研究所細菌血清
pp.503-511
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915454
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毒素源性大腸菌(entcrotoxigenic Eschericltia coli)は,通常の検査法では非病原性大腸菌と区別することができない.毒素原性大腸菌が産生する易熱性エンテロトキシン(LT)か耐熱性エンテロトキシン(ST)のどちらか,あるいは両方を検出して初めて毒素原性大腸菌と同定することができる.
LTの検査法として広く利用されているのは結紮腸管法,皮膚毛細血管透過性亢進試験,チャイニーズハムスターオバリー細胞の形態変化を調べる方法などである.しかしこれらの方法は,臨床検査室において日常検査として利用するのには技術的に困難な点が多い.LTがコレラエンテロトキシンと共通抗原性があることを利用した抗コレラエンテロトキシンを使った受身免疫溶血反応は,術式も簡単であり,日常検査として取り上げやすい.
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