編集者への手紙
国内で感染したと思われる毒素原性大腸菌下痢症
竹田 多恵
1
,
三輪谷 俊夫
1
,
高橋 美由紀
2
,
松尾 奈穂美
2
,
森山 ゆみ子
2
,
田中 秀武
2
1大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
2済生会中津病院中央検査部
pp.1646
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912426
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1983年夏の終わりに,バングラデシュに行く機会に恵まれ,ダッカの国際下痢疾患センター(ICDDR, B)に17日間滞在した.そこでコレラや赤痢患者に混じって,毒素原性大腸菌下痢症にあえぐ多数の患者をみた.その臨床像はまさにコレラに匹敵する.
毒素原性大腸菌が発展途上国だけの問題ではなく,こうした流行地を訪れる人々を悩ませ,さらには日本国内へも多数持ち帰られている事実はすでに明らかにされている.また発展途上国から輸入される冷凍魚介類によっても,本菌のみならず多種類の下痢原因菌が持ち込まれていることも事実である.
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