臨床医からの質問に答える
ヘパリン療法時のAPTT値が施設などによって大きく異なるのはなぜですか
山﨑 哲
pp.321-323
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103122
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はじめに
活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,APTT)は,プロトロンビン時間(prothrombin time,PT)とともに最も一般的に行われている凝固検査である.その検査目的は,内因系凝固機能のスクリーニングや未分画ヘパリン療法のモニタリングが中心となっていたが,近年では,ループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant,LA)や凝固因子に対するインヒビターなど,さまざまな凝固異常症が対象となるため,その検査目的は多様化している.
APTTについても,その標準化が国内外を問わず以前より検討されてきたが,いまだ標準化には至っていない1,2).日本検査血液学会の血栓止血検査標準化小委員会においてAPTT標準化に向けた検討に着手する方針となったが,基礎的検討をもとに方向性が検討されている段階にある.
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