増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
4章 凝固
未分画ヘパリンまたはヘパリン類似物質(低分子量ヘパリン・ダナパロイドナトリウム・フォンダパリヌクス)の混入によるAPTT延長
下村 大樹
1
1公益財団法人天理よろづ相談所病院臨床検査部
キーワード:
未分画ヘパリン
,
硫酸プロタミン
,
活性化部分トロンボプラスチン時間
,
APTT
Keyword:
未分画ヘパリン
,
硫酸プロタミン
,
活性化部分トロンボプラスチン時間
,
APTT
pp.1204-1207
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203136
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ヘパリンの種類と用途
ヘパリンはアンチトロンビン依存性に抗凝固作用(抗活性化Ⅹ因子:Ⅹa,抗トロンビン)を発揮する.ヘパリンの種類には,未分画ヘパリン,低分子量ヘパリン,ダナパロイドナトリウムおよびフォンダパリヌクスがあり,それぞれ抗Ⅹa/トロンビン作用の比率,半減期が異なる(表1).ヘパリンの用途は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)の治療,血液透析・人工心肺などの体外循環装置使用時の血液凝固防止,血管カテーテル挿入時の血液凝固防止,静脈内留置ルートの血液凝固防止,血栓塞栓症(静脈血栓症,心筋梗塞症・肺塞栓症・脳塞栓症・四肢動脈血栓塞栓症・手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療および予防など多岐にわたる.
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