技術講座 血液
血液凝固第XⅢ因子測定法
鈴木 明子
1
,
菅野 信子
1
,
金子 誠
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.277-282
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103106
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新しい知見
血液凝固第XⅢ因子(第XⅢ因子)は,血液凝固反応の最終段階に働き,安定化フィブリン形成による止血の完成・維持において重要な役割を果たす.以前より,第XⅢ因子の中和抗体や消費亢進が原因となり発症する出血性後天性第XⅢ因子欠乏症に関して症例報告が散見されたが,これまで実態が明らかでなかったため2009年より厚生労働省研究班による全国調査が行われている.本症例では,出血性素因の家族歴や既往歴はなく,血小板や一般的な凝固検査に異常がないにもかかわらず,突然重篤な皮下出血や後出血などの出血症状を呈する.このような原因不明の出血では,第XⅢ因子活性測定も考慮する.
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