技術講座 微生物
集落の観察法
小栗 豊子
1
1亀田総合病院臨床検査部
pp.269-276
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103104
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新しい知見
微生物検査における菌属や菌種の推定はグラム染色の形態から可能であるが,培養によって形成された集落を確認することにより一段と確かなものになり,さらに同定検査を行うことにより確定される.ブドウ球菌や腸内細菌科のような増殖の速い菌種でも同定検査結果を得るには3日を要する.感染症診断で原因微生物の迅速検出が求められる昨今,患者検体の分離培地上の集落性状から菌属や菌種が推定できる優れた培地の開発が進められている.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA),バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus,VRE),ESBL(extended-spectrum β-lactamase)産生菌,Clostridium difficile,Candidaの主な菌種など,選択培地を使用することにより集落性状からほぼ確実な目的菌の推定同定が可能となった.
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