増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 5 凝固・線溶検査
5.特殊検査
4)凝固因子測定
木下 幸子
1
,
脇山 マチ子
1
1九州大学医学部附属病院検査部
pp.875-878
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905497
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検査の目的と意義
日常検査で凝血学的検査の異常が見られ,凝固因子に異常があると考えられる患者の確定診断を必要とする場合に凝固因子活性,凝固因子量(習慣的に抗原量ともいう)を測定する1).凝固因子欠乏症には単独因子欠乏と複合因子欠乏があり,前者は先天性欠乏症が考えられ,後者は肝臓で産生される凝固因子の肝障害による低下や,ビタミンK依存性凝固因子のビタミンK欠乏症による低下,DICによる低下,出血症状による低下などが考えられる.また,近年は,凝固因子活性,凝固因子量を測定し,蛋白欠損症や蛋白の機能異常症が考えられた場合は遺伝学的解析が行われている2).表1は日常検査の測定値から欠乏している凝固因子を推測する場合の参考に,プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),ヘパプラスチン(HP)の測定値と患者の出血傾向の有無により関連している凝固因子を分類した3)ものである.
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