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腎障害とメガリン
斎藤 亮彦
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1新潟大学大学院医歯学総合研究科機能分子医学講座
pp.733-734
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102882
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わが国において慢性腎臓病(chronic kidney disease,CKD)患者は約1,300万人存在し,末期腎不全への進展および心血管病発症の高リスク群として,その病態把握が重要とされている.末期腎不全に至るCKDの原因疾患としては糖尿病性腎症が第一位を占めており,従来高かった慢性腎炎患者の透析導入比率は減少傾向にある.一方,糖尿病のほかにも高血圧,メタボリックシンドロームなどの生活習慣病に起因するCKDが増加している.
このようにCKDの原因疾患はさまざまであるが,最終的に末期腎不全に進展する機序として,尿細管・間質障害がその共通経路として注目されている.ゆえにそのような尿細管・間質障害の発症と進行を把握するための適切なバイオマーカーの開発が望まれている.特に尿検体の採取は容易であるため,尿中バイオマーカーに期待が集まっている.さらに尿細管の部位特異的に産生され,傷害に伴って尿中に逸脱するマーカーが,その機序を明らかにするうえでは望ましいと考えられる.
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