Japanese
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特集 グリケーション(糖化)
腎臓によるAGEの代謝機構:近位尿細管上皮細胞の役割
Role of proximal tubule cells in the metabolism of advanced glycation end-products
斎藤 亮彦
1
,
飯野 則昭
1
,
竹田 徹朗
2
,
下条 文武
2
Akihiko Saito
1
,
Noriaki Iino
1
,
Tetsuro Takeda
2
,
Fumitake Gejyo
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科機能分子医学講座
2新潟大学大学院医歯学総合研究科内部環境医学講座
pp.540-542
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100133
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1 腎不全におけるAGEの蓄積
腎不全時には糖尿病の有無によらずAGEが体内に蓄積する。腎不全患者におけるAGEの蓄積は,動脈硬化1),心筋肥大2),炎症3),栄養障害3),および透析アミロイドーシス4)などの合併症の発症・進展に関係すると考えられている。腎不全に伴ってAGEが蓄積するということは,本来,腎臓という臓器が生体内でAGEが蓄積することを防ぐ働きがあるということを示している。その機序を大きく分けて考えると,腎臓がAGEを除去しているか,あるいはAGEの生成を抑制しているということになる。前者にはAGEの代謝あるいは排泄機序が考えられ,後者にはAGE前駆体(反応性カルボニル化合物)の除去(代謝あるいは排泄),生成抑制,あるいは腎臓が産生する何らかの分子によるAGE生成抑制などの機序が考えられる。
ちなみに,肝硬変においてもAGEが蓄積し,肝移植によってそれが改善することが報告されているが5),これも主に,肝臓におけるAGE代謝の障害による機序が想定されている6)。そして腎不全においても肝不全においてもAGEが蓄積するということは,腎臓と肝臓の両者の機能がAGEの蓄積防止に重要であるということ,また,一方の機能障害は他方の機能によって代償されないということを意味している。それはおそらく,腎臓と肝臓で代謝されるAGEの種類の違い,たとえば,高分子量のAGEは肝臓で代謝され,低分子量のAGEは腎臓で代謝されるという可能性を示している。
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