技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・16 その他:1―心房性ナトリウム利尿ペプチド,脳性ナトリウム利尿ペプチド
石井 潤一
1
1藤田保健衛生大学医学部臨床検査科
pp.513-518
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102830
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新しい知見
脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide,BNP)とN末端プロBNP(N-terminal pro-BNP,NT-proBNP)は主に心室で合成・分泌される生化学的心機能・心不全マーカーである.近年,BNPとNT-proBNPは心不全診療だけではなく,急性冠症候群の診療にも役立つことが期待されている.NT-proBNPは腎機能低下の影響を強く受けるため,心腎連関マーカーに位置付けられている.しかし,現時点では両者の有用性は同等と考えられている.一方,心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide,ANP)は最初の生化学的心機能・心不全マーカーである.しかし,主に心房で合成・分泌されるため,心機能・心不全評価における精度はBNPやNT-proBNPより劣る.
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