Laboratory Practice 〈微生物〉
CLSIのMRSA判定基準の変更とその影響
花木 秀明
1
1北里大学抗感染症薬研究センター
pp.1476-1479
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102700
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はじめに
米国の臨床検査標準協会(Clinical and Laboratory Standard Institute,CLSI)のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA)に対する耐性基準が変更され続けている.多くのβ-ラクタム薬に感性を示す市中関連型MRSA〔community associated-MRSA(CA-MRSA)〕やブレークポイント近辺の最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration,MIC)値を有するMRSA(borderline-MRSA)など,院内感染で蔓延している高度耐性MRSAとは異なったMRSAが出現してきている.これらのMRSAを高い精度で検出するために基準薬自体の変更から判定基準(MIC値)の変更まで行われている.
さらに,バンコマイシン(VCM)の耐性基準も変更されている.この基準変更はMRSA判定基準の変更以上に大きな問題を含んでいると考えられ,それらの問題について提示したい.
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