Laboratory Practice 〈病理●液状処理細胞診検査の新しい試み・2〉
子宮頸部
照井 仁美
1
,
進 伸幸
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1262-1265
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102277
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はじめに
液状処理細胞診検査は細胞診検体から採取された細胞を専用の保存液を用いて標本作製する方法(thinlayer cytology)で,細胞変性が少なく診断精度が向上すると言われている.婦人科領域においても従来の直接塗抹法に代わりこの方法が導入されてきている.近年,米国においては婦人科細胞診検査の80%以上が液状細胞診になり,従来法より高い精度を示したとの報告もある1).この新しい標本作製法によって作製されたシンレイヤー(thinlayer)標本がわが国においても臨床で使用されるようになってきている.現在使用されている液状細胞診システムには,ThinPrep(R)システム(オリンパス)とSurePathTM法(医学生物学研究所)があり,両方法とも子宮頸部における細胞処理法として1996年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration,FDA)の承認を得ている.
本稿では,われわれが使用経験を有するシンレイヤー標本の作製法の一つであるThinPrep(R)システムの有用性と将来について概説する2,3).
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