技術講座 生化学
―臨床化学基礎技術シリーズ―3.分析ツール その2:温度
関口 光夫
1
1前・日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部
pp.477-484
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102091
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はじめに
原子,イオン,分子などの粒子から構成される物質は,ある条件下の温度や圧力において固体(solid),液体(liquid)あるいは気体(gas)のいずれかの状態をとりうる.また,分子は熱エネルギーを受けると解離して原子になり,さらに熱エネルギーを受けるとその原子の電子殻は基底状態から,よりエネルギー凖位の高い励起状態をとる.例外もあるが,一般的には温度が高くなると化学反応度は速くなる.このように自然科学で取り扱われる普遍化された現象には温度が関与するものが多いが,同時に圧力などの他の因子が加わることもある.本稿では臨床化学領域で温度がかわる法則を挙げ解説したい.
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