増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
各論
2. 検査手順 3) 尿,血液検査 (2) 尿定性
宿谷 賢一
1
,
下澤 達雄
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1216-1222
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101892
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はじめに
日常検査で頻繁に用いられる尿定性検査(尿試験紙検査)は,臨床検査技師のみならず,医師・看護師も検査経験があり,大学病院からクリニック,また,集団検診・人間ドックなど多くの医療現場で実施されている.この尿定性検査は多項目試験紙として最大11項目(蛋白,アルブミン,クレアチニン,潜血,白血球,亜硝酸塩,ブドウ糖,ケトン体,pH,ビリルビン,ウロビリノゲン)を同時に検査可能である.また,学校集団検尿や地域健診により一般社会にもよく浸透している臨床検査の一つであり,1991年からは一般用検査薬(over the counter,OTC)として尿糖・尿蛋白の試験紙が薬局・薬店で販売されることにより,自宅でセルフチェックができるようになった.
1998年に日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)では,尿試験紙の表示濃度の統一化を目的に『尿試験紙検討委員会(伊藤機一委員長)』を発足させ,検討を重ねた結果,2005年度末までに国内における尿試験紙の表示濃度の統一化が図られ現在に至っている1,2).
メタボリックシンドロームの診断基準には尿検査は含まれていないが,心血管イベントのリスクの評価として蛋白,ブドウ糖は重要な点であり別項で詳細に述べられるので,本稿では尿検査を健診で行う場合に留意する点について概説する.
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