増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
各論
2. 検査手順 3) 尿,血液検査 (1) CBC
東 克巳
1
1杏林大学保健学部臨床血液学
pp.1208-1215
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101891
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はじめに
血球計数(complete blood count,CBC)は,人がメランジュールという希釈器と血球計算板といわれる器具を使用して用手法で算定されていた.しかし,この方法は種々の誤差要因が多く正確性,精密性ともに臨床検査としての信頼性および処理能力に限界があった.
近年,血球計数は機器による測定が開発された.当初,血球計数器は,赤血球と白血球の数しか測定できなかった.やがて,半自動から自動測定機器へと発展してきた.自動血球計数装置は,末梢血の赤血球,白血球,血小板の数およびヘマトクリット(hematocrit,Ht)値,ヘモグロビン濃度測定に用いられ,最近では血球特性の研究や測定機器の目覚ましい進歩で,単項目から多項目さらに多機能型へと進化している.
最近の機器は,血球数測定,Ht値,ヘモグロビン濃度,平均赤血球容積(mean corpuscular volume,MCV),平均赤血球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin,MCH),平均赤血球ヘモグロビン濃度(mean corpuscular hemoglobin concentration,MCHC)だけでなく,赤血球や血小板の大小不同や赤芽球まで測定可能になってきた.さらに末梢血白血球5分類までを高速でしかも正確性,精密性ともに高く測定できる高性能な機器へと進化している.
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