増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
各論
1. 検査前手順 1) 生理的変動,サンプリング,試料の取り扱い (1) TG,HDL-C,LDL-C
杉内 博幸
1
,
松嶋 和美
1
,
安東 由喜雄
2
1熊本保健科学大学衛生技術学科
2熊本大学大学院医学薬学研究部病態情報解析学分野
pp.1118-1123
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101880
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はじめに
高LDLコレステロール(low density lipoprotein-cholesterol,LDL-C)血症,低HDLコレステロール(high density lipoprotein-cholesterol,HDL-C)血症,高トリグリセライド(triglyceride,TG)血症などの脂質異常症は冠動脈疾患の危険因子であり,動脈硬化の予防という立場からメタボリックシンドローム健診項目に指定されている.これらの脂質の測定前に留意すべき事項としては,受診者の生理的変動(食事,運動,性別・年齢別,日内変動,季節変動,体位など)の把握,サンプリング,検体の取り扱い,測定の妥当性(標準物質やトレーサビリティなど)の確認などがある.特に,食事によって脂質の値が大きく変動するので,受診者には健診前の注意事項を遵守するように指示する必要がある.また,採血後の検体の保存・安定性も検査データの精度を左右する一要因となる.そこで,本稿では,食事による影響や検体の取り扱い(検体の保存・安定性)を中心に概説する.
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