オピニオン
「知的」検査技師のすすめ!
安東 由喜雄
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1熊本大学大学院医学薬学研究部生体情報分析医学講座病態情報解析学分野
pp.827
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101814
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筆者が開業医向けの某月刊誌に「開業医のための遺伝性疾患」を連載し始めて足掛け6年の歳月が流れた.連載を始めた当初は,テーマの選定に力が入り時間を要したが,映画には遺伝性疾患,遺伝子に結びつくテーマも少なくないため,それを機軸に書いていくことにした.1年くらいで終わる連載であろうと思っていたが,しばらく経つとこうしたテーマのなかに自分の人生観を絡め三千数百文字をちりばめるのはこのうえない楽しみとなっていった.面白いもので,忙しいときほど,日常の仕事を放り出して,連載を書きたくなる.
言うまでもなく,今や大学は改革の嵐に大きく揺さぶられ続け青息吐息の状態にある.医学部は教員の定数削減で研究力の弱体化が懸念され,医学部附属病院でも高度先進医療より利潤追求が優先されるようになり医療の質の劣化が心配され始めている.一方,教育は今までの講義中心の押し売り型から全員参加型の実習形式が求められ,これは学生の理解力を上げ,考える医師を育てるためには大変良いことだとは思うのだが,教員の負担はさらに重くなり,授業に振り回されるような状況が起こり始めている.このような状況のなかで医学部のスタッフの多くが余裕をもてなくなり,無力感が漂い始めているかに見える.しかし,筆者はこうしたときこそユニークな発想と,心にゆとりをもつように心がけなければならないと考え,休みの日には意識して映画を見るようにしている.
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