技術講座 血液
自動血球計数機の測定原理と留意点
池本 敏行
1
,
田窪 孝行
2,3
1大阪医科大学附属病院中央検査部
2大阪医科大学臨床検査医学
3大阪医科大学附属病院血液内科
pp.523-534
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101741
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新しい知見
自動血球計数機はCBC(complete blood cell count),白血球分類および網赤血球を同時に測定できる機種が主流となっている.自動血球計数機は,用手法で測定されていたものを自動化したもので,自動血球計数機から得られる測定値は正確性において問題となることがあるが用手法によって確認することができる.最新の自動血球計数機には,これらの項目以外に新生血小板の指標である網血小板比率,血小板の蛋白質濃度や網赤血球内のヘモグロビン量を測定できる装置もある.また脆弱性細胞比率を測定し白血球分類に反映できる装置もある.網血小板比率は特発性血小板減少性紫斑病の診断1)に,網赤血球内ヘモグロビン含量は腎性貧血におけるエリスロポエチン投与量の指標2)として臨床応用され始めている.しかし,CBCや白血球分類とは違い,網血小板比率や網赤血球内ヘモグロビン含量を用手法で確認することはできない.したがってこれらの測定値の正確性は,各メーカーから提供される情報に頼らざるを得ない.網血小板比率については測定法によって基準値が大きく異なる3,4).
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