特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis
Ⅶ.検査機器と問題点
3.血小板自動計数機
武内 恵
1
,
山本 美保子
1
,
安藤 泰彦
1
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1442-1451
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915643
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血小板数の算定は従来,間接法(Fonio法),直接法(Brecher-Cronkite法,Rees-Ecker法)など視算法が用いられていた.視算法は血小板数の多少を技師が直接確認できるという長所はあるが,再現性が悪く,検体処理能力が低いなど重要な欠点があった.また,最近では全身性血管内凝固(DIC),悪性腫瘍,白血病治療時の血小板減少などに対して,血小板輸血その他のきめ細い治療が行われ,また外科手術時の術前術後においても血小板数を慎重に検査することが常識となってきた.そのため血小板計数の検体数は年々増加してきており,同時に血小板数算定の迅速性,正確性などに関する臨床側の要求もより高度になってきた.以上の理由から,血小板計数自動化の必要が切実なものとなり,自動機器の開発が行われるようになった1,2).
血小板数を算定するためには,血小板を赤血球,白血球と区別して測定することが必要であるが,このために幾つかの優れた工夫がなされ,現在では数種類の測定原理の異なった機器が実用に供せられている.今回は我々が実際に使用する機会を得た機種を中心に,これら機器の特徴及び問題点を述べてみたい.
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