Laboratory Practice 〈生化学〉
薬物中毒検査の現状と課題
宮城 博幸
1
,
大西 宏明
1
,
渡邊 卓
1,2
1杏林大学病院臨床検査部
2杏林大学医学部臨床検査医学教室
pp.363-365
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101680
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はじめに
1995年に発生した地下鉄サリン事件,1998年に起きた和歌山カレー事件などが契機となり,当時の厚生省は国内における毒劇物解析機器設備整備事業として,全国の救命救急センターを中心とする計73の医療機関に中毒起因物質の迅速な同定を可能にする目的で,高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography,HPLC)など数種類に及ぶ分析機器の配備を決定した.当院高度救命救急センターにも1999年6月に多くの分析機器が配備され,2000年以降,これらの分析機器を使用し,毎年200件あまりに及ぶ薬物中毒患者の検査を施行している.今回,薬物中毒検査の現状とこの6年あまりにおいて経験した問題点や今後の課題などを,当院の現状を中心に述べたいと思う.
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