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本来ですと,まだまだ寒い2月のはずですが,どうも,暖冬のせいか,ピンと来ない今日この頃です.臨床検査を取り巻く環境も天候同様,暖かければよいのですが,残念ながら,こちらは,ますます厳しくなりそうです.ただ,厳しいのは,決して,検査の世界だけではなく,世の中全体がそのようです.厳しさの切り口は多々あると思いますが,現在は,評価されなくてはいけない時代ということがあると思います.実際に良い検査・良い医療を行っていても,客観的な評価を受けないと存在意義が高められません.患者さまを中心とする医療サービス利用者の保護,医療提供側の説明責任のため等々,評価が益々強化されていくのは,ある意味,現在の社会情勢では仕方ないと思われます.その際,評価の基準が大変重要になるわけですが,徐々ですが確実に整備されつつあると感じます.(単なる例ですが)個人のレベルでは,各種認定技師・認定医資格,検査部門・病院レベルでは,ISOや病院機能評価等々でしょうか.このあたりの重要性や具体的情報も,適宜,本誌でもご提供できていると感じております.
さて,本号では,“病気のはなし”においては,まず,「中皮腫」が取り上げられています.アスベストを原因とする本症に関しては,大きな社会問題となったことは周知の通りです.本論文におきましても,医学的側面とともに社会的側面が的確に語られています.また,「関節リウマチ」はいわゆる慢性疾患の代表でありますが,その概念が変わりつつあります.本論文では,検査による早期診断,そしてそれに基づく早期治療の重要性がダイナミックに語られています.また,技術講座においては,生理検査から眼球運動検査法,検体(生化学)検査からはsmall dense LDLの測定が取り上げられています.ともに,検査技術の進歩が余すところなく語られております.他にも,天候同様ホットな役に立つ記事が満載されております.ぜひ,ご一読下さい.
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