増刊号 包括医療と臨床検査
第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
12.胃の悪性新生物
笹島 雅彦
1
,
瓜田 純久
1
,
三木 一正
1
1東邦大学医学部消化器内科学講座
pp.1026-1032
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101566
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外来初診から確定診断まで
外来初診で胃悪性腫瘍(胃癌およびその他の非上皮性腫瘍)を疑う場合には,自覚症状を訴えての受診と,なんらかの一次スクリーニングを経て紹介される場合とがある.
1 . 胃悪性腫瘍の自覚症状,身体所見
胃悪性腫瘍特有の自覚症状はなく,上腹部不快感,上腹部痛,食欲不振といった一般的な上腹部症状を主訴に受診することが多いが,早期癌では無症状のことも少なくない.進行癌症例では嘔吐,吐血,体重減少,タール便を呈することもあるが,これも胃悪性腫瘍に特異的なものではない.
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