けんさ質問箱Q&A
臨床所見もなく高度に上昇しているクレアチンキナーゼ
安原 努
1
,
高木 康
2
1昭和大学医学部臨床病理学教室
2昭和大学医学部医学教育推進室
pp.545-547
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101260
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小児に,臨床所見もなくクレアチンキナーゼ(creatine kinase,CK)が高度に上昇している例があります.そんな疾患はありますか.どのような機序でそうなるのですか.また,現在は臨床所見はなくともCK値の異常な小児に将来,発症する疾患があれば教えてください.(東京都羽村市 A. T.生)
クレアチンキナーゼとは
クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CK,EC2.7.3.2)は,クレアチンとクレアチンリン酸との反応を触媒する酵素です.共役するADP(adenosin diphosphate,アヂノシン二リン酸)→ATP(adenosin triphosphate,アヂノシン三リン酸)により生ずるATPが高エネルギーリン酸であるため,多量のエネルギーを必要とする骨格筋,心筋,平滑筋や脳などに多量に存在しています.これら臓器・組織が傷害された場合には,存在するCKが血中に逸脱・遊出するため,血中CK活性の変動を測定することでこれら臓器・組織の傷害を知ることができるのです(表1).
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