一般検査室から私の一枚
ケナガコナダニの親子の肖像―〔ステルンハイマー-マルビン染色(Sternheimer-Malbin stain)〕
今井 宣子
1
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
pp.52
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101223
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ケナガコナダニのお母さんと子ども.お母さんの体内には大きな卵が見られる.この患者の尿沈渣中にはこのほかにも多数のダニの成虫,幼虫,卵が見られた.腎ダニ症かどうかの確認は得られてないが,おそらくその可能性が高い.体外に寄生している場合や外部からの混入であればこんなに多数,しかも幼虫や卵までがいっせいに見られるということはないだろうと考えるからである.
尿沈渣の写真は今まで1万枚以上撮ってきたが,そのうちでこの写真が一番好きだ.人体ダニ症の症例かもしれないという興味よりもダニの世界にも親子の情愛があるんだな~という勝手な思い込み.なかなか撮ろうと思っても撮れないショットで,とても気にいっている.
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