入門講座 細菌
抗酸性染色法acid-fast stain
橋本 雅一
1
1東京医科歯科大学医学部微生物学教室
pp.118
発行日 1968年2月15日
Published Date 1968/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917676
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ある種の細菌は,酸,アルカリまたはアルコールでも容易に死滅しないうえに,なかなか色素と結合しにくいが(難染性),いったん染まると酸性脱色剤(酸性アルコール)を作用させても脱色されにくい(抗酸性)という特殊な性質をもっている。この性質は,菌体表面にミコール酸という脂肪酸が存在していることによる。このような性質をもっている菌を抗酸菌とよび,この染色法はこの菌を選択的に染め出す方法で,ふつうは結核菌を染め出すのに用いられている。これには,いろいろの方法があるが,最もよく用いられているチール・ネルゼン法について述べ,その術式についての注意事項を記載しておく。
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