今月の表紙
慢性骨髄性白血病
佐藤 優実子
1
,
東 克巳
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2杏林大学保健部臨床血液学研究室
pp.116
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101160
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今回は,慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia,CML)を取り上げた.CMLは,慢性骨髄増殖性疾患に位置づけられ,WHO(World Health Organization,世界保健機関)分類ではmyelodysplastic/myeloproliferative disieseに分類される.
CMLは,多能性造血幹細胞の異常により,末梢血中に芽球から成熟好中球までの各段階の顆粒球系細胞が増加し,白血球増多症をきたす疾患である.白血球数は,一般的に10,000~50,000/μlであることが多いが,時に数十万/μlになることもある.好塩基球の増加(3%以上)を伴うのも特徴で,好中球アルカリフォスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase,NAP)活性は極めて低値を示す.骨髄血では,有核細胞数が著増し,細胞密度の上昇が観察される.これは主に,顆粒球の著明な過形成であり,顆粒球と赤芽球の比率(myeloid/erythroid ratio,M/E比)は10~50対1以上と著明な高値となる.顆粒球系の好中球は各成熟段階のものがほぼ正常の比率で増加し,一方,好塩基球や好酸球が正常の比率より増加していることが特徴である.また,骨髄巨核球も増加していることが多い.慢性期の芽球比率は通常5%以下にとどまるが,急性転化とともにその比率は上昇し,30%を超えるようになる.
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