増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
6.遺伝子検査
2 糖尿病と肥満の遺伝子検査
門脇 弘子
1
,
門脇 孝
2
1調布東山病院小児科
2東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科
pp.1320-1325
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101123
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はじめに
糖尿病と肥満は年々増加している.
糖尿病とは種々の原因によって生じるインスリン作用不足に起因する持続的な高血糖を主徴とする代謝障害である.その発症には遺伝因子と環境因子の相互作用が重要である.
近年,全ゲノムマッピング/候補遺伝子アプローチを組み合わせたヒト糖尿病疾患感受性遺伝子の解明,SNPに関する情報の蓄積,モデル動物作製をはじめとする機能的解析による糖尿病発症過程の解明などの研究が著しく進歩した.同時に,ob/obマウスや脂肪細胞の研究から肥満研究も進んだ.糖尿病と肥満は単一ではなく多遺伝子変異と考えられ,本稿では現在までに糖尿病と肥満に関連して明らかにされている遺伝子異常について概説する.
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