増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
6.遺伝子検査
3 HLAタイピング
柏瀬 貢一
1
1東京都赤十字社血液センター検査部検査三課
pp.1326-1330
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101124
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はじめに
HLA(human leukocyte antigen)は免疫応答において,自己と非自己を識別するための遺伝マーカーとしてその中心的役割を担っている.現在,HLAタイピングは臓器移植や造血幹細胞移植の患者と提供者の適合性試験として必要不可欠の臨床検査として定着している.HLAは高度な多型性を示すゆえ,そのタイピングには同時に多数の塩基置換を解析することが必要で,単一塩基多型(single nucleotide polymorphism,SNP)の検査とは大きく異なる.近年,HLAタイピング法は,マイクロアレイの開発によって急速な展開を見せている.その典型的な例が蛍光ビーズ法いわゆるLuminex法と言えるだろう.本稿では,HLAタイピングの有用性とLuminex法の実際を紹介し,さらにHLAタイピングの将来像についても概説したい.
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