増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
2.生化学検査
12 骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)
竹内 靖博
1
1虎の門病院内分泌センター
pp.1163-1165
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101076
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はじめに
骨代謝を非侵襲的に評価するために,多くの生化学的指標が骨代謝マーカーとして検討されている(表).骨代謝は吸収と形成の過程に分けられることから,骨吸収を反映するマーカーと骨形成を反映するマーカーが存在する.骨芽細胞が合成・分泌する骨型アルカリフォスファターゼ(bone alkaline phosphatase,BAP)は骨形成の代表的な指標であり,各種の骨疾患やカルシウム代謝異常症を診療するうえで重要な役割を果たしている.
BAP以外の骨形成マーカーにはオステオカルシンがある.生理的状態や骨粗鬆症ではBAPとオステオカルシンとは共通の変化を示すが,骨転移や糖尿病などの病態では両者の挙動に乖離を認めることがあり注意が必要である.
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