特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
X.血液系
2.血液疾患の鑑別に役立つ臨床検査と注意
白血球アルカリフォスファターゼ
服部 絢一
1
1金沢大第3内科
pp.1379-1381
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204319
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白血球アルカリフォスファターゼ(AP)が臨床検査として実用化したのはそれほど古いことではない.それは1955年Kaplow3)のアゾ色素法の発表に始まるといっても過言ではあるまい.もともとこの酵素は腎臓,肝臓,腸上皮など広範に分布しているが,白血球に存在することは約40年前に推定され,以後,生化学的な方法や組織化学的な方法で検索されるようになった.なかでも組織化学的な方法にはGomori-高松のコバルト法,武内のカルシウム-銀または鉛法があるが染色時間が長いため実用化にいたらず,Mentonらのアゾ色素法(1944)をKaplowが血液細胞に応用して,その方法の安定性,簡便さから初めて臨床に用いられるようになり,さらに最近では,Naphthol AS-MX phosphateなどの基質(Ackerman,朝長ら4))がつぎつぎに開発され鋭敏度を加えるにいたった.
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