診断のポイント
白血球アルカリフォスファターゼ
服部 絢一
1
1九大柳瀬内科
pp.1429-1430
発行日 1967年10月10日
Published Date 1967/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201946
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白血球アルカリフォスファターゼ(AP)が臨床検査として実用化したのはそれほど古いことではない。それは1955年Kaplow3)のアゾ色素法の発表に始まるといつても過言ではあるまい。もともとこの酵素は腎臓,肝臓,腸上皮など広範に分布しているが,白血球に存在することは約40年前に推定され,以後,生化学的な方法や組織化学的な方法で検索されるようになつた。なかでも組織化学的な方法にはGomori-高松のコバルト法,武内のカルシウムー銀または鉛法があるが染色時間が永いため実用化にいたらず,Mentonらのアゾ色素法(1944)をKaplowが血液細胞に応用して,その方法の安定性,簡便さから初めて臨床に用いられるようになり,さらに最近では,Naphthol AS-MX phosphateなどの基質(Ackerman,朝長ら4))がつぎつぎに開発され鋭敏度を加えるにいたつた。
この酵素は血液疾患のうちでは,慢性骨髄性白血病に著減し,これとまぎらわしい類白血病性反応特に骨髄線維症では増加するし,また,諸種の感染症ではその症状の程度に応じて上昇する。以下,最近,われわれの研究室で開発したもつとも簡便で安価な方法(浅山1))を紹介し,その応用面につき叙述してみたい。
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