特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VIII.血液化学検査
アルカリフォスファターゼアイソザイム
鈴木 宏
1
1東大・第1内科
pp.616-617
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205935
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血清アルカリフォスファターゼ(ALP)のアイソザイムは寒天ゲル,セルロゲルを支持体としたばあいと,殿粉ゲルおよびポリアクリルアマイドゲルのDisc電気泳動法のばあいとで泳動像が異なる(図).相違点は寒天ゲルで最も陽極寄りに泳動されるALP1が殿粉ゲルでは原点にとどまり,ALPVIIIとなり,殿粉ゲルで最も陽極寄りに泳動されるALP1は寒天ゲルではALP1と重なるため検出できない.その他のALPアイソザイムの移動度はほぼ同じである.なお,寒天ゲルではPVPを加えるとその量により移動度が低下し,ALP2の陰極寄りに泳動されることがある.
血清ALPアイソザイムのなかには臓器ALPと同じ性質を有するものがある.肝ALPはALP2(ALPII),骨ALPはALP3(ALPIII),胎盤ALPはALP4(ALPIV),小腸ALPはALP5(ALPV)に一致する.なお,ALP1(ALPVIII)はALP2が高分子化したもので,n-ブタノール処理を行うとALP2(ALPII)と一致する.
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